静岡人インタビュー「この人」 沼津の空きビル地下で期間限定ギャラリー開設 古地由莉香さん

 沼津市のまちなか居住促進事業の一環で、JR沼津駅近くの空きビルを利活用して居住促進を目指す「for now(フォーナウ)」の運営サポートに携わる。昨秋から運営する丸天ビルの地下に1月末、ギャラリー「スペース戯曲」を設けた。

古地由莉香さん
古地由莉香さん

 -フォーナウとは。
 「ビルの空き室を借り上げ、低価格で入居希望者に提供することで、トライアル出店や新規事業立ち上げを促進する期間限定のプロジェクト。企画運営する合同会社レイバー(同市)と勝亦丸山建築計画(富士市)が入居者と大家をつなぐ。2021年に実施した第1弾のビルには昨夏、参加者の1人がコーヒー店を正式に開業し、実際に空きビルの活用につながった」
 -スペース戯曲を地下に設けた理由は。
 「多くの人がビルを訪れるきっかけをつくるためには、建物が持つ個性と作品が魅力を引き立て合う空間が必要と考えたから。作品を通じて生き方の幅を広げること、予期せぬ出会いや新たな物語が生まれることを願ってこの名前を名付けた」
 -展示を見に来る客層は。
 「展示目的の人、かつてレストランだった地下階を懐かしむ人、プロジェクトや参加者に興味のある人などさまざま。異なる世代や目的の人がこの場所でつながるのを見られてうれしかった。職人の技術と魅力的なデザインが残り、思い出が刻まれた場所だからこそ実現できた」
 -今後の展望は。
 「12日のフォーナウ最終日には地下で朗読会を開く。プロジェクト終了後も多くの人に愛され続けるよう、理解ある借り手による活用を望んでいる。今後ギャラリーは場所を変えながら設置し、埋もれた場所の魅力を新たに発掘していきたい」

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