記者コラム「清流」 新たなにぎわい広がる可能性

 約10年閉業していた老舗旅館「和泉屋旅館」(浜松市天竜区水窪町)が今年、大衆カフェ酒場に生まれ変わった。営業中に訪ねると、地元住民が酒を飲んだり料理をつまんだりして会話を楽しむ場面があった。既にリピーターがつくなど地域で歓迎されている。
 和泉屋旅館は築97年の旅館で、焼失前を含めると100年以上の歴史を持つ。東京都内で居酒屋を営むぴんころさん(仮名)が、施設の雰囲気や水窪の町全体を気に入り、カフェ酒場の開設を決めた。旅館の魅力を生かしながら運営していくという。
 地域活性化をテーマにしたイベントの取材で、専門家が地域のにぎわいを作る条件に「まず立ち寄れる空間が必要」と言った。まさにその空間が生まれたと実感した。
 (水窪支局・大沢諒)

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