焼津市 ワーケーション施設充実 新しい働き方で集客期待【ウィズコロナを見据えて 志太榛原23年度予算案③】

 中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化支援に取り組むナカタケテック(東京都)は5月にプレオープンする焼津市のワーケーション施設にサテライトオフィスを置く。焼津市内の企業ではDX化への関心が高まっているが、ノウハウ不足など課題が多い。事業主の悩みに即座に応えるには直接出向く方が早いと、都内と別に拠点を構える。

整備中のワーケーション施設について担当者から話を聞く顧取締役(右)=焼津市内
整備中のワーケーション施設について担当者から話を聞く顧取締役(右)=焼津市内

 ナカタケテックの顧文博取締役(31)は、支援先には直接出向くスタイルを取ってきた。リモートでは専門知識がないと伝わりにくく、とりわけ中小企業は理解までに何日も必要なケースが多いという。「直接出向いて対応した方がスムーズに進む」と語る。サテライトオフィスを志太榛原地区のDX拠点にと位置づける。
 焼津漁港の漁具倉庫をリノベーションして整備中のワーケーション施設は、テレワークや会議ができるスペースに加え、シャワールームや飲食施設を備える。今後は宿泊機能も入る予定で、市はコロナ禍で定着したリモートワークといった新しい働き方を模索する人たちが集うにぎわい拠点として期待する。
 ナカタケテックのオフィスには3人のスタッフを配置する。企業の相談受付やデジタル関連の講座を展開するという。「さまざまな人との交流から新たなビジネスのきっかけも生まれる」と構想する。
 施設のにぎわい創出に向け、移動手段の選択肢を増やす。市は新年度、施設とJR焼津駅などを結ぶ低速の電気自動車(EV)を走らせる。市外からの来訪者が施設に立ち寄りやすくなるとともに、施設利用者も市内周遊に活用するなど用途が広がる。
 漁港を背景にした港町らしいロケーションも魅力の一つ。焼津市商工課の鈴木展明主査(39)は「施設を中心に若い人が集うエリアにしたい」と意気込む。

 <メモ>焼津市はワーケーション施設の利用者の定着を図るための取り組みを支援していく方針。新年度当初予算案に関連事業費4400万円を計上する。低速EVの導入検討に向けて、事業費1000万円を盛り込んだ。

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