記者コラム「清流」 体験できる機会 大切に

 2月中旬、磐田市松之木島の御嶽神社で約160年続くとされる「火渡り」の伝統行事を取材した。子どもから大人まで熱さに耐えながら“炎の道”を渡る姿を、押し寄せた住民の最前列でシャッターを切っていた。
 「記者さん、せっかくだから渡ったほうがいいよ」。地元の大膳講や地域住民から言われ、挑戦することになった。迫力のある炎でかなりビビっていたが、意外にも熱くない。“アンコール”にも応え、素足で2回渡り切った。
 実は取材前日、先輩記者から「渡ってきたら」と勧められ、笑顔で断っていた。体験してみると、見ていても伝わらない真実が分かり、充実した気持ちになった。体験できる機会を大切に取材に励み、多くの感動を紙面で紹介したい。
 (磐田支局・崎山美穂)

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