記者コラム「清流」 もてなされる側の気遣い

 おもてなしする側とされる側、双方の気遣いが観光地をさらに発展させるのかな、と気付かされた。コロナ禍明け国内第一船となった清水港での外国クルーズ船の受け入れで乗客のドイツ人夫婦と会話したときだ。
 港でパソコンを広げていると、下船直後の彼らにフリーWi-Fi(公衆無線LAN)の場所を問われた。近くの県職員に尋ね、慣れない英語で伝えると「ベリーフレンドリー」とやや大げさに感謝してもらえた。
 旅慣れたご夫婦だったのだろう。清水の人々が岸壁で精いっぱいのもてなしを展開するなか、先回りして気持ちをくんでくれた気がした。おもてなしする側も、される側も皆で気持ちのいい「寄港ラッシュの春」にしていけたら、と思った。
(清水支局・坂本昌信)

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