記者コラム「清流」 ウクライナの未来へ

 ロシアのウクライナ侵攻から1年が経過した。「もう1年」なのか「まだ1年」なのか、早期終結の願いと裏腹に戦局は不透明のまま。
 県内で生活する避難者は約40人。それぞれが故郷に残した家族や友人を案じ、望郷の思いで言葉や文化の壁を乗り越え、日常に溶け込もうと奮闘している。
 掛川市で働き始めたウクライナ人女性は「ウクライナは今もこれからもウクライナだ」と語った。ロシア撤退後の復興には、相当の時間と資金が必要になる。未来を見据えた支援はまだまだ続ける必要がある。
 ウクライナが日常を取り戻すため、自分たちができることは限定的だ。せめて避難者の心に寄り添い、この静岡の地で楽しい思い出を、ひとときでも作ってあげたい。
 (社会部・薬袋貴信)

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