記者コラム「清流」 職場で自分を守る知識

 広告大手電通の新入社員で2015年に24歳で自殺した高橋まつりさんの母幸美さんの講演を、まつりさんの母校・加藤学園暁秀高(沼津市)で取材した。講師には過労死問題に詳しい川人博弁護士も加わった。
 川人弁護士は、法定労働時間を超える残業にはいわゆる「36(サブロク)協定」が必要なことや、有給休暇はパートでも取得できることなど、労働法の基礎知識を生徒に伝えた。近年、学校現場ではキャリア教育が盛んだが、労働者を守る視点での教育は、十分と言えるだろうか。
 生徒に感想を聞くと、幸美さんの「職場では自分で自分を守らなければいけない」との言葉が響いたようだった。将来、社会人となる子どもたちに自分を守る知識を授けるのも大人の責任と感じた。
 (東部総局・尾藤旭)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞