記者コラム「清流」 マスクなき晴れやかな春

 ある小学校の1年間を振り返った思い出の写真。遠足といった楽しい一コマなのだが、被写体の児童はマスク姿で感情が全く読み取れない。感染症対策だから仕方がない。とはいえ、先生や周囲は子どもたちの変化を察することができるのか。心配になった。
 マスク着用のルールが変わった。基本はその場の状況に合わせての自己判断となった。商業施設や飲食店でパーティションも取り外され、コロナ禍前に戻りつつある。
 マスクをせずに施設に入る。仕切りを気にせずに酒を酌み交わす。互いに顔をさらけ出して会話をする。子どもたちの写真にもさまざまな表情が写し出されるだろう。当たり前の事が堂々とできる。今年の春は晴れやかだ。
(焼津支局・福田雄一)

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