記者コラム「清流」 増子さん、オブリガーダ

 浜松市のブラジル食料品店「セルヴィツー」のオーナーで日系2世の増子利栄さんが2月末、72歳で亡くなった。市内のブラジル人と日本人の懸け橋として長年尽力。親交のあった人によると、住居が確保できない日系ブラジル人の保証人になるなど、「困っている人を助けることに、全く抵抗がない人」だった。
 7年ほど前、浜松で過ごした学生時代にポルトガル語の授業を履修し、その一環で担当教員が連れて行ってくれたのが同店。ブラジルのパン「ポンデケージョ」など初めて食べる料理ばかりだったが、どれもおいしく、温かく迎えてくれたことを覚えている。
 本当は苦しい時もあったのかもしれない。それでも生涯をかけて多文化共生に貢献した増子さんに心からこの言葉を届けたい。オブリガーダ!
(浜松総局・日比野都麦)

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