記者コラム「清流」 送別は笑顔で

 若者が学びやから巣立ち、新天地へと飛び立つ季節。卒業式を取材して、学校生活や同級生との思い出の振り返りとともに就職や進学に向けた頼もしい決意を聞くと、こちらも背筋が伸びる。
 県立こども病院ではうれしい“旅立ち”があった。インドネシアから受け入れた複雑な心臓疾患を抱える少女の手術が無事成功し、2月末に退院。他国で手術不可能と言われて来日したといい、少女の両親も安堵(あんど)した。
 印象に残ったのが、病院関係者の笑顔。記者会見では専門用語を使って疾患を真剣に説明していた医師らも、会見の終盤、元気を取り戻した少女が会場に姿を見せると一気に表情がほぐれた。「人を送り出すときはやはり笑顔がいい」と、最近涙もろくなった自分に言い聞かせている。
(社会部・小沢佑太郎)

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