台風15号被災のラーメン店 静岡・清水区で移転開業「地元をもり立てたい」

 台風15号の被災から半年を前に、巴川の氾濫や断水で損害を受けた静岡市清水区の人気ラーメン店が21日、区内に新店舗を移転オープンさせる。他地域での営業も選択肢にあったが「清水をもり立てたい」との思いから店主の有賀一登さん(41)は旧店舗のある清水区内にとどまった。

カフェをイメージしたおしゃれな内装で21日に静岡市清水区入江岡町に移転オープンする新店舗=3月中旬
カフェをイメージしたおしゃれな内装で21日に静岡市清水区入江岡町に移転オープンする新店舗=3月中旬

 カフェをイメージした外観と店内で新しく生まれ変わるのは、2018年9月に鳥坂地区に初めて開店した「麺屋ARIGA」。
 巴川に近い同地区で被災後、常連客らの手助けで約1カ月後に再開にこぎ着け、2月末まで営業してきた。知り合いがフランス料理店を営んでいた店舗が空き、妻らと相談の上、自宅に近い入江岡町に引っ越した。清水桜が丘高校や清水中央図書館なども近い。
 「140センチほどの高さまで水が入ってきた」と振り返る有賀さん。鳥坂での開店4周年を祝うイベントを翌日に控え、店内で仕込み作業中だった。偶然鍵が開いていた店舗2階の空き事務所に逃げ込み一命を取り留めた。
 有賀さんは「葵区や駿河区からも清水にラーメンを食べにわざわざ来てもらえるようなお店にしたい」と意気込む。
 

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