記者コラム「清流」 学びを詰め込んだ絵本

 先日、会社に1冊の絵本が届いた。安倍川中(静岡市葵区)の3年生が中学生活の思い出をテーマに制作した絵本。完成間近の時にインタビューした生徒の絵本の複製を先生が送ってくれた。
 この生徒は部活動で使っていたバスケットシューズを“主役”に、繊細なタッチの絵と厳選した言葉で中学生活を振り返っていた。取材で話した他の生徒も「通学路」や「自分が書く文字」などを題材にし、視点が面白かった。
 制作には国語科と美術科の計14時間が充てられた。教科担任制の中学では、教科の枠を取り払った授業はまだまだ少ないという。教科関係なく3年間の学びの成果を総動員し、生き生きと自分を表現していた生徒たち。その姿を見て、こんな授業がもっと増えてほしいと感じた。
(生活報道部・大滝麻衣)

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