静岡人インタビュー「この人」 中学校の美術教師から画家に転身した 平賀卓也さん(浜松市天竜区)

 浜松市内の中学校の美術教師を定年より2年早く辞め、画家に転身した。新たな道を踏み出して2年たつが、ほぼ毎日キャンバスと向き合う生活で、創作活動への意欲は膨らみ続けている。作品には、日常や人の中にある「優しさ」を込める。人物画や風景画など、どんな作品にも共通した思いがある。天竜区佐久間町の浦川地区を拠点に絵を描く。60歳。

平賀卓也さん
平賀卓也さん

 ―画家に転身した理由は。
 「教師になる前から絵を描きたい思いはあった。教師を勤めていた頃は、仕事と創作活動を両立できず、気持ちが遠ざかっていた。画家を目指すならば覚悟を持ちたいと思い、定年前に転身したかった。2年早く画家の活動を始めることができて良かったと思う」
 ―画家の活動内容は。
 「個展を開き、展示した作品を販売している。油絵が多く、これまで40点近くを描いた。公募団体への応募は目指さず、描きたいことを描いている。朝から夕方までほぼ毎日のペースで絵を描き続けている。外で風景画を描く時は、一日で完成させることもある」
 ―今後の目標は。
 「神奈川か東京で作品を発表したいと考えている。昨年は個展を浜松市内で開き、今年も実施する。日々の生活の中で感じる優しさをテーマにした作品をこれからも発表し続けたい。空想画に限らず、地元の風景を描いた作品も出したい」
 ―佐久間町の魅力は。
 「佐久間は絵を描く場所に合っていると思う。朝の散歩に出ていると、鹿の鳴き声が聞こえたり、亡くなったイタチを道路で見たりする。佐久間の自然の中で暮らしているとさまざまなことを感じ、作品を描くモチベーションにつながっている」

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