12歳 夢へフルスイング 安藤絹さん(静岡)「ゴルフ留学」で急成長 家族の支え力に

 静岡市葵区に女子プロゴルファーを目指す小学6年生がいる。3月まで2年間、福岡市にゴルフ留学し、九州地区の大会で連続優勝する急成長を遂げた。中学進学を機に拠点を静岡に戻し、さらなる飛躍を誓う。転職して練習を支えた家族の愛情があり、「夢をかなえて恩返しする」と未来を見据える。

夢に向かって―。拠点を静岡に戻し、飛躍を誓う安藤絹さん=22日、静岡市内(写真部・田中秀樹)
夢に向かって―。拠点を静岡に戻し、飛躍を誓う安藤絹さん=22日、静岡市内(写真部・田中秀樹)

 児童は安藤絹さん(12)。小学3年の時、家族でたまたま寄った打ちっ放しでゴルフにはまり、すぐにプロが目標になった。
 ゴルフ留学はジュニアの選手層が厚い九州で実力を試したかったから。娘の熱意を受け父智人さんが仕事を辞め、転職先を見つけて帯同。母桃子さんは静岡に残る二重生活を選んだ。
 現地では平日に学校、週末に練習と大会参戦の日々に明け暮れた。昨夏にはIMGアカデミーが主催する米国での3週間キャンプに参加。帰国後に九州の2大会で連続優勝し、一躍注目された。「スイングが安定して成長を実感できた。自分のレベルも少し見えた」
 安藤家は両親とも会社勤めでゴルフ経験はほとんどない。米国キャンプで貴重な経験を積んだ絹さんだが、日常的なレッスンやコーチの指導は受けずにきた。
 上達のための努力を聞くと、絹さんは「独学です」と屈託がない。憧れの男子選手ロリー・マキロイ(英国)のフォームを動画で何度も確認し、練習で体得を目指すスタイルを貫く。
 智人さんは絹さんの強みを「集中力と正義感、物おじしない性格」と分析する。桃子さんは「性別や世代を超えて人とつながる人生を歩んで」と願う。
 まもなく中学校生活をスタートさせる絹さん。「3年生までに全国トップクラスに入る。感謝を忘れずに取り組んでいきたい」と意気込む。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞