臨床検査室、世界標準に認定 静岡がんセンター共同会社 ゲノム研究の質向上へ

 静岡県立静岡がんセンター(長泉町)と臨床検査受託会社「エスアールエル(SRL)」(東京)が共同でつくる検査会社の臨床検査室が27日までに、検査技術の世界標準とされる米国の臨床検査室改善法(CLIA)に認定された。全ゲノム解析を含めたがんゲノム検査の質を世界標準に引き上げ、ゲノム医療への貢献につなげる。

臨床検査室で認証について説明する平林社長=長泉町の県立静岡がんセンター
臨床検査室で認証について説明する平林社長=長泉町の県立静岡がんセンター


 両者は2014年にがんゲノムを解析する共同臨床研究「プロジェクトHOPE」を始め、18年に合同会社を設立した。CLIAと、すでに認定を受けているCAP-LAPという、ゲノム関係で重要な二つの世界水準を満たしたことにより、国際規模の治験や新薬開発などに活用できる精度の高いデータを出せるという。
 平林庸司社長は「がんゲノム研究は欧米が先行する分野で、国際的な検査の信頼性を得ることが重要」と意義を説明する。プロジェクトを主導する同センター研究所の浦上研一副所長は「世界的な認証を持つ検査会社がセンター内にあることで、個別化医療や最高級のがんパネル検査など、研究成果の患者への還元も期待できる」と話した。

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