検査時不安解消へ 外国人患者に説明 自作の多言語アプリ好評 磐田市立総合病院が導入

 磐田市立総合病院はこのほど、外国人患者に画像検査の説明を多言語で伝えるウェブアプリを導入した。エックス線やCT、MRI検査時に、意思疎通が図りにくい患者と医療スタッフの不安や負担を和らげるため、現場の職員が作成した。患者からは「分かりやすい」と好評という。

画像検査の説明を多言語で伝えるウェブアプリ=磐田市立総合病院
画像検査の説明を多言語で伝えるウェブアプリ=磐田市立総合病院

 同病院によると、市内には約9千人の外国人が在住し、人口の5%以上を占める。外国人患者を検査する機会が増えている中、コミュニケーション不足で再検査になれば放射線被ばくのリスクが高まり、必要以上に時間もかかってしまう。そんなスタッフの不安や患者のストレスを解消しようと、診療放射線技師の朝比奈克至さん(36)がアプリを自作した。
 アプリはポルトガル語、英語、中国語に対応。タブレット端末やスマートフォンを使い、検査中の指示や準備時の注意点など約300パターンの説明を音声や文章、イラストで伝える。定型文のため、双方向のやりとりはできないが、検査時に想定される説明は網羅した。
 朝比奈さんは「どこでも誰でも手軽に使えるようにした。医療現場はアナログの仕事が多いが、ITを活用することで業務の負担軽減だけでなく、患者へのサービス向上につながれば」と説明する。同病院は他の検査や業務での活用も検討している。

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