高齢者にこそITを 世界最高齢のプログラマー 若宮さん 孤独感の開放に「必要」 浜松医科大で講演

 浜松医科大の次世代創造医工情報教育センターは3月30日夕、「世界最高齢のプログラマー」として知られる若宮正子さん(87)を招いた「アントレプレナーシップ(起業家精神)・データサイエンス教育講演会」を浜松市東区の同大で開いた。若宮さんは「すでにはじまっている未来と日本の今」と題し、孤独感から解放されるために高齢者にこそIT(情報技術)の素養が必要だと指摘した。

「すでにはじまっている未来と日本の今」と題して講演する若宮さん=浜松市東区の浜松医科大
「すでにはじまっている未来と日本の今」と題して講演する若宮さん=浜松市東区の浜松医科大


 若宮さんは銀行員時代に「まだ見ぬ友と交流してみたい」とパソコンを購入。定年退職後は母親の介護を担った。介護従事者の孤独が社会問題化していたが、パソコンを使って友人らと交流していたため孤独感に苦しむことはなかった。
 介護体験から高齢者のITリテラシーの必要性を講演するうち、友人の勧めでスマートフォン向けアプリゲームを作成。海外メディアの取材を受け、国内外で演説し、政府関係機関の仕事も請け負うようになったと紹介した。主宰する高齢者交流サイトも説明し「高齢者にも社会参加が必要だ」と強調した。
 (浜松総局・松浦直希)

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