遠江国分寺木装基壇を復元 奈良時代に思いはせ 磐田の国指定特別史跡市民見学会

 磐田市の国指定特別史跡「遠江国分寺跡」で市教委が復元を進めていた講堂と僧房の「木装基壇」が完成し、1日に見学会が開かれた。全国各地にあった国分寺で木装基壇を復元したのは初めて。市民らが国分寺が建てられた奈良時代に思いをはせた。

磐田市教委が復元した遠江国分寺講堂の木装基壇=同市内
磐田市教委が復元した遠江国分寺講堂の木装基壇=同市内
復元された木装基壇に上がる見学者=磐田市内
復元された木装基壇に上がる見学者=磐田市内
磐田市教委が復元した遠江国分寺講堂の木装基壇=同市内
復元された木装基壇に上がる見学者=磐田市内

 木装基壇は装飾や補強のために側面を木材で覆った建物の土台。遠江国分寺跡の再整備では建物跡を盛り土で保護するだけでなく、市民に歴史に触れてもらい、観光資源としても生かそうと、木装基壇の復元に取り組んできた。市教委によると、聖武天皇の勅令で全国60カ所以上に建てられた国分寺の中で、基壇を石材や瓦で外装していた事例は多いが、木装基壇は珍しいという。
 僧侶が仏教の経典を学んだ講堂は幅29・2メートル、奥行き16・6メートル、高さ0・6メートル、僧侶の宿舎だった僧房は幅63・8メートル、奥行き12・0メートル、高さ0・3メートルの基壇の外装を、建立当時も使われたヒノキで復元した。今後は金堂や塔などの木装基壇も復元していく。
 見学会では市教委文化財課の職員が、遠江国分寺の成り立ちや講堂や僧房の構造などを解説した。担当者は「当時の建物の大きさを実感できる整備になっている。いにしえの時代をイメージしてほしい」と話した。

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