工事犠牲者に感謝 丹那トンネル「熱海の礎」

 熱海市と市観光協会は6日、同市を全国屈指の温泉観光地として発展させる礎を築いた丹那トンネルの感謝祭を同市昭和町の起雲閣で行った。行政や観光団体、JR関係者ら約20人が出席し、世紀の大工事で犠牲になった67人に感謝の思いを込めて献花した。

丹那トンネル工事の殉職者に献花する中島会長=熱海市昭和町の起雲閣
丹那トンネル工事の殉職者に献花する中島会長=熱海市昭和町の起雲閣

 斉藤栄市長は16年を要したトンネル工事で、芦ノ湖(神奈川県箱根町)3杯分ともいわれる湧水などと闘った先人の苦労に思いをはせ、「犠牲者は熱海発展の人柱であり、決して忘れてはならない」とあいさつした。中島幹雄観光協会長も「尊い犠牲のおかげで今の観光地熱海がある。工事に携わった多くの人に感謝したい」と述べた。
 熱海-函南間にある丹那トンネルは全長約7・8キロ。1918年に着工し、16年間で延べ250万人が工事に携わった。期間中に崩落事故がたびたび発生し、67人が犠牲になった。トンネル開通により関東、関西からの来遊客が増え、熱海は湯治場から温泉観光都市に飛躍した。
 (熱海支局・豊竹喬)

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