浜松市議選 自民、影響力一層強まる 市長選でも存在感【解説】

 浜松市議選(定数46)は自民系勢力の24人以上の当選が確実となり、最大会派自民党浜松は24人だった改選前に続き、過半数を占める見通しとなった。今回の市長選で初当選した元総務省課長中野祐介氏の擁立作業に自民系市議が関わってきた経緯もあり、今後、自民党浜松の市政への影響力が一段と強まりそうだ。

浜松市議選投票率
浜松市議選投票率
浜松市の行政区
浜松市の行政区
浜松市議選投票率
浜松市の行政区

 2019年の前回選で政令市移行後初めて過半数の議席を得た自民は、各常任委員会、特別委員会で多数を占め、行政区再編などの重要課題で議論の主導権を握った。それまでは対立姿勢が顕著だった鈴木康友市長も態度を軟化させ、同会派への配慮に腐心した。
 市には行政区再編後の地域の自治組織の在り方や家庭ごみ処理有料化など重い課題が山積している。市長と最大会派の接近で意思決定が円滑になり、これまで停滞していた課題が動き出す可能性がある。一方、拙速な議論や少数意見の軽視が横行したら、誰が歯止めをかけるのか。市民は当初から注視する必要がある。
 市議選では40歳以下の候補が12人に上り、前回の5人から大きく増えたほか、女性も目立った。市議会が多様性に富んだ議論を発信できるかも期待したい。
(浜松総局・宮坂武司)

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