記者コラム「清流」 若者の立候補とリスク

 9日投開票の浜松市議選は候補者62人のうち40歳以下が新人8人を含む12人に上り、前回の4人から大幅に増えた。他都市と比べても多く、若者の挑戦心が強い浜松の地域性を感じる。
 しかし、実際に若い新人候補を取材すると、有力企業や官庁を若くして退職したり、借金したり、重いリスクを負って出馬した人が大半。議員不在の地域から出馬したある新人は「青年組織で議員の必要性が議論されてきたが、みんな自分が出るのは難しい。結局、独身で身軽な自分が引き受けた」と語っていた。
 政令市議選の供託金は50万円。運動費用は一般的に数百万円とされる。若者には重い額だ。ハードルを下げる議論をできないだろうか。立候補がもっと手の届きやすい目標になれば、若者の参政意識もさらに高まると思うのだが。
(浜松総局・宮坂武司)

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