記者コラム「清流」 音楽好きの拠点夢見て

 静岡県外でオーケストラの楽団員をしている姉が最近、引っ越した。これまで住んでいた部屋を気に入っていた様子だったので理由を聞いてみると、「楽器がうるさいって言われちゃって」とため息混じり。大家さんを通じて、アパートの住人から苦情が入ったそうだ。
 人にもよるだろうが、姉は1日練習しないだけでも感覚が鈍るという。できるだけ楽団のホールなどを使っていたようだが、限界がある。特に難解な曲であれば、自宅でもしっかりと復習したいのだろう。
 浜松市内に先日、防音室付きのシェアハウスが誕生した。音を気にせずに楽器の練習ができる空間はクラシックや吹奏楽、軽音楽などのジャンルを問わず、演奏家からの需要が見込まれる。音楽好きが集まり、いつか交流拠点となる日を期待したい。
(浜松総局・日比野都麦)

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