記者コラム「清流」 城下町巡る物語

 徳川家康の大御所時代を再現する今年の「静岡まつり」は天候にも恵まれ、3日間で約93万人が来場して大盛況だった。静岡市中心部は見たことのないような人の数でにぎわっていた。
 訪れたことのあるなじみのまつりだったが、取材は初めて。「家臣団結成の儀」で幕を開け、著名人扮(ふん)する大御所が“町民”を駿府城に迎え入れて、メイン行事の「花見行列」で市街地を練り歩く。まつりを構成する「5つの物語」をたどりながら見ていくとより深く楽しめた。
 フィナーレの最終章を飾る手筒花火は、駿府城で日本で初めて花火を見たとされる家康にちなんだ行事。火薬の平和利用を願った家康の思いに触れた。そんな家康の足跡がこの町ではいつでも感じられる。まつりの後、お堀沿いを歩くと静岡の町が違って見えた。
(社会部・吉田史弥)

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