みこし下り 4年ぶり披露 復旧復興へ 活気づけ 熱海・伊豆山神社で例大祭

 熱海市の伊豆山神社で15日、例大祭が行われた。本殿で行われた神事で、住民が土石流災害からの一日も早い復旧復興を祈願した。42歳の厄年を迎える男衆らでつくる伊豆山厄年奉賛会は4年ぶりに伝統の「みこし下り」を披露。威勢のよいかけ声で地域住民を活気づけた。

みこしを担いで参道を下る厄年奉賛会の男衆=熱海市伊豆山
みこしを担いで参道を下る厄年奉賛会の男衆=熱海市伊豆山
実朝の舞を奉納する女子中学生
実朝の舞を奉納する女子中学生
みこしを担いで参道を下る厄年奉賛会の男衆=熱海市伊豆山
実朝の舞を奉納する女子中学生

 神事では、地元の女子小中学生が「神女舞」と「実朝の舞」を奉納した。厳かな雰囲気の中、小中学生は緊張した表情を見せながらも練習の成果を堂々と発揮した。神社総代会長の大舘節生さん(76)は「一日も早く復興し、昔の絆を取り戻したい。避難している住民が早く帰還できる環境が整ってほしい」と願った。
 約700段の急な階段が続く神社の参道では、厄年奉賛会「癸卯紡会(きぼうつむぎかい)」がみこし下りを行った。35人の男衆が雨の中、「わっしょい、わっしょい」と大きなかけ声を出しながらゆっくり歩を進めた。新型コロナウイルス禍や土石流災害で中止が続いていた伝統行事の復活に、住民は「伊豆山を活気づけてくれてありがたい」「少しずつ日常が戻ってきたと感じさせてくれる」と感慨深げに語った。同会の佐々木新会長は「伊豆山が一歩でも前に進んでほしいという思いを込めて臨んだ。見てくれた人が少しでも元気になってくれたらうれしい」と話した。

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