議会改革、道半ば 富士宮市議選 不祥事続発から再出発 有権者は注視

 任期満了に伴う富士宮市長選と市議選が16日、告示され、定員22人の市議選に25人が立候補した。市議会は前任期半ばで不祥事が相次ぎ発覚し、2021年秋の補選では議会の立て直しが問われた。今回の選挙は「再出発」と位置づける候補者もいて、有権者は「信頼できる人を選ぶ」と、候補者の言動を注視する。

街頭演説に耳を傾ける有権者=富士宮市内
街頭演説に耳を傾ける有権者=富士宮市内

 同議会では同年5月に県迷惑防止条例違反容疑で1人が逮捕され、9月には議長選に絡む贈賄申し込み事件で2人が摘発される事態になった。3人とも有罪判決が下されている。
 補選後は信頼回復に向けて市議会議員政治倫理条例を定めた。一方で、定数削減を通して議員の資質向上を求める要望が市区長会から提出されたが、市議会議会運営委員会で現状維持を決めた。同市粟倉の植松繁彦さん(70)は「(改革の動きが)見守るべき市民に届けられていない」と辛口の評価をする。
 防犯活動に携わる男性(72)は会派が頻繁に変わる議会の勢力図を「私利私欲がにじんでいる」と問題視する。その上で「若手の候補者が少ない。新陳代謝が進まないのではないか」とため息を漏らす。
 ある候補者は街頭演説で「資質が問われた議会全体の改革は中途半端。必ず変える」と訴えた。耳を傾けた山宮の男性(56)は、不祥事は個人の倫理観の問題だと指摘し「地域密着でぶれない人を見極めて投票する」と話した。

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