静岡人インタビュー「この人」 静岡市女性会館長に就任した 井藤喜美江さん(静岡市葵区)

 静岡市女性会館の指定管理者「NPO法人男女共同参画フォーラムしずおか」理事。同館管理事業課長を経て4月に館長に就任した。同市葵区のアイセル21を拠点に、2007年から講座や女性人材データベースの運営などを担当してきた。熱烈な韓国ドラマファン。55歳。

井藤喜美江さん
井藤喜美江さん

 -館長としての抱負は。
 「何の知識も経験もないままこの世界に入り、子育てしながら経験を積ませてもらった。恩返しのつもりで務めたい。調整型の人間なので、そこを強みにスタッフが楽しんで仕事に打ち込める環境をつくりたい」
 -女性を取り巻く状況は。
 「ジェンダー(社会的性差)という言葉の認知度は高まっているが、本質的な理解や格差の解消は進んでいない。雇用や女性への暴力などコロナ禍で一層深刻になった問題もあり、コロナの状況が落ち着いても元通りとはいかない。啓発や困難を抱える女性への支援はますます重要と認識している」
 -力を入れる事業は。
 「近年、高校の探求の授業や中高生のインターンシップに会館を活用する動きが活発。効果的な学びを提供したい。また、共働き家庭が増え、会館の利用者は当初の主婦層から変化している。仕事を持つ子育て世代向けの事業を充実させ、一方で平日に利用が多い高齢者の居場所作りにも丁寧に取り組みたい」
 -教育の重要性は。
 「特にこちらが出向くアウトリーチ型事業の重要性を痛感している。子どもたちの中には、本人が自覚していなくても、性差を理由に成長機会を妨げられているような子もいる。さまざまな環境にある子どもたちに情報を届け、困った時のよりどころとして女性会館を知ってほしいと思う」
 (生活報道部・西條朋子)

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