記者コラム「清流」 年収の壁対策は

 一人息子が幼稚園の年中になった。少しずつ成長してきた。妻も息子に付きっきりになるのをやめてパートタイムで働き始めた。そこで頭をよぎるのがいわゆる「年収の壁」だ。
 配偶者のいるパートタイム労働者が労働時間を増やすにつれ、社会保障制度や税制度の扶養から外れ、場合によっては手取り年収が減る。配偶者の勤務先からの「家族手当」が打ち切られることもある。年金制度を考えれば、最終的には「働き損」はなくなるとの考え方もあるが、妻のようなパートタイム労働者にとっては不本意ながらの「就業調整」をする理由になっている。
 岸田文雄首相もこの「壁」の対策に乗り出す考えを示している。すべての人が働きやすく、かつ公正な制度設計を求めたい。
 (浜松総局・松浦直希)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞