ブラジルで文学賞受賞 作家のイタマールさん「読書 他人理解の力に」 浜松で講演会

 在浜松ブラジル総領事館(浜松市中区)はこのほど、ブラジル出身の作家イタマール・ヴィエイラ・ジュニオールさん(43)の著書「曲がった鋤(すき)」が昨年12月に邦訳出版されたことを記念して、イタマールさんを招いた講演会を同区で開いた。「作家への道 私が小説『曲がった鋤』を書いた理由」と題し、読書の意義や同書を執筆したきっかけを語った。

講演会で執筆の経緯などを語るイタマールさん(左)=浜松市中区
講演会で執筆の経緯などを語るイタマールさん(左)=浜松市中区

 同書はブラジルで問題になっている劣悪な労働環境を題材にし、同国で有名な文学賞「ジャブチ賞」などを受賞した。イタマールさんは講演で、本を読むことで知らない世界や歴史の知識が広がり、他人について想像し理解する力が身につくと強調した。
 イタマールさんは同国の農村を訪れた際、重労働を強いられている人々を見たことが執筆の契機になったと明かし、「人間が土地を所有するという権利について書いた。土地を巡って争いが起きることもある。多くの人に読んでもらい、人間の権利について考えてほしい」と訴えた。
 「曲がった鋤」の邦訳出版は、東京のブラジル大使館によるブラジル独立200周年記念事業の一環。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞