記者コラム「清流」 揺るがない感情

 学校でのマスク着用が原則不要になった。小学2~4年、中学2、3年は入学して初めて、同級生の素顔を見て終日過ごすことになる。先日、小学校の校長が「久々に見たら男子の何人かひげが生えてた」としみじみ語っていて、コロナ禍の長さを実感した。
 抑圧の3年間だったろう。学校では、児童生徒のはじけた笑い声や騒ぎ声が響いていた。「黙食が気の毒で好みそうな音楽を流したら大合唱になった」などの失敗談も多々聞いた。“おきて”破りを振り返る先生は困った風だったが、どこか肯定的でうれしそうな口調だった。
 マスク緩和を突破口に、学校は元通りになるだろうか。「友だちと一緒に楽しみたい」という子どもの行動を、教員が正面から支持できる日が来ることに期待している。
 (社会部・大須賀伸江)

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