浜松にレーザー実験施設 大阪大発ベンチャー 核融合商用炉実用化へ

 核融合商用炉の実用化を目指す大阪大発のベンチャー「エクスフュージョン」の松尾一輝CEO(30)は24日までに、大出力レーザーを運用するための実験施設を今夏、浜松市内に設置する計画を進めていると明らかにした。
 施設にはカプセル状の模擬燃料を連続で供給する装置や、模擬燃料に照射するレーザーを備える計画で、松尾氏は「従来の実験施設を大型化し、多くの機能を統合した実験を進めたい」と話した。
 電気や水素を取り出す核融合商用炉の実現には、毎秒10回程度の核融合反応を繰り返し、安定して発生させる必要があるとされる。同社は浜松市西区の光産業創成大学院大(理事長・晝馬明浜松ホトニクス会長)内に開発拠点を置き、連続供給するカプセル状の燃料に対して正確にレーザーを当てる技術の研究を進めてきた。光産業が集積する同市内で研究を発展させる。
 同社は2021年7月、国内のレーザー核融合の知見を集積し、35年までの商用炉の実現に向けて設立された。同大学院大の森芳孝准教授がCTO(最高技術責任者)を務めている。

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