浜松ホトニクス レーザー企業買収 デンマーク政府が却下

 浜松ホトニクスは8日、デンマークのレーザー装置メーカーNKTフォトニクスの株式を取得し、完全子会社化することについて、同国政府から国家安全保障を理由に却下されたと発表した。浜ホトは情報収集を進め、今後の対応を検討している。
 浜ホトは3月末にベルギー子会社を通じ、NKTの全株式を約2億500万ユーロ(約305億円)で取得する予定だった。関係各国の法的規制の手続きでドイツや英国、米国の承認は得たが、デンマークについては産業・ビジネス・金融相が財務、外務、法務、国防相らと協議し、株式取得申請の却下を決めたという。浜ホトは5月2日、同国商務庁から取得を承認しない旨の通知を受けた。
 NKTはレーザー光を増幅する独自技術を持ち、浜ホトは得意とするレーザー光源の技術と合わせることでレーザー事業の拡大を見据えていた。買収完了後には同国に新たな研究開発拠点を整備する方針も示していた。

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