冠水・浸水センサー試験導入 磐田市、国のモデル地区に 即時観測、迅速避難へ 23年秋までに運用開始

 磐田市は本年度、激甚化・頻発化する豪雨災害に備え、道路冠水や住宅地の浸水などをリアルタイムで観測する小型センサーを試験導入する。国土交通省の浸水センサー実証実験のモデル地区に選ばれた。6月をめどに設置箇所を選定し、今秋の台風シーズンまでに運用を開始する。

国土交通省の実証実験で使われる小型センサーの一種(同省提供)
国土交通省の実証実験で使われる小型センサーの一種(同省提供)

 同市内では昨年9月の台風15号に伴う豪雨で、建物の浸水被害や道路冠水が多発。車両の水没も相次いだ。夜間の発生だったため、市は被害情報の収集が思うように進められなかった。センサーで冠水・浸水状況をいち早く把握し、早めの避難呼びかけや道路の通行止めなど、災害対応の迅速化につなげる。
 市は実証実験としてセンサー10基の提供を受ける予定で、今之浦、見付地区など市街地を中心に配置する方針。内水氾濫のリスクがある水路や、河川に近い建物の基礎部分などへの設置を想定する。センサーはさまざまな方式があるが、市は浸水が一定の深さになると浮きが浮上して検知する「フロート式」の採用を検討している。
 実証実験は本年度、同市を含め全国39地区で行われる。国交省は監視網の整備に向け、企業の開発・量産化を促して、大きさを500円硬貨ほど、価格を1基500円程度に抑えた「ワンコイン浸水センサー」とすることを目指している。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞