静岡人インタビュー「この人」 浜松市ウエルネス推進事業本部の初代本部長に就いた 藤野仁さん(浜松市西区)

 浜松地域イノベーション推進機構派遣、市産業部長を経て4月から現職。健康増進と産業創出を両輪として進める新設組織のかじ取りに、産業振興部門での豊富な経験を生かす。59歳。

藤野仁さん
藤野仁さん

 ―事業本部の役割は。
 「ウエルネス産業は経済産業省が注目する成長分野。健康増進、産業振興に横串を刺し、官民連携で市民の健康増進を進めながら地域産業力の強化を図り『ウエルネスなら浜松市』と言われるよう全国に発信したい」
 ―これまでのウエルネス推進の取り組みは。
 「3年前に浜松ウエルネス推進協議会と浜松ウエルネス・ラボの二つの官民連携プラットフォームを設置した。協議会は136の企業、18団体が参加して健康関連のサービス創出を、ラボは全国の企業を対象に実証実験の支援を目指してきた。ベジメータを使った野菜摂取促進、アプリによるがん検診の案内など、市民に役立つサービスが生まれつつある。成果をしっかり継続させ、広げていきたい」
 ―特に力を入れる課題は。
 「企業の健康経営促進。社員の健康度が高いほど生産性が上がり、離職率や労災発生率が下がる傾向がある。労働力確保に加えて業績向上も期待でき、医療費が抑制できれば財政負担も軽くなる。国の健康経営優良法人の認定取得を支援して認定事業所の割合を日本一にしたい」
 ―市民に求めたいことは。
 「例えばしょうゆをかける時にスプレーを使うと少量で味が付き、減塩になる。そんなちょっとした習慣が重要。歩数でポイントがたまるアプリ『はままつ健幸クラブ』、地元農産物を使った『栄養はなまる弁当』など楽しく取り入れられるサービスや商品が生まれているので、日常の中で活用してほしい」

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