浜ホト社長「真意探る」 デンマーク企業買収却下で

 浜松ホトニクスの丸野正社長は10日、同社都田製作所(浜松市北区)で行った新棟建設の地鎮祭後に取材に応じ、デンマークのレーザー装置メーカーNKTフォトニクスの株式取得申請を同国政府が却下したことについて、「寝耳に水の話で受け入れていない。あらゆる手段を使ってデンマーク政府とコンタクトを取って、真意を探りたい」と述べた。
 丸野社長は、国家安全保障を理由とした申請却下の通知を2日に受けて以降、同国政府と連絡が取れていないと明かし、「(レーザーは)民生で使う技術。なぜ却下されたのか分からない。改善の余地があるのなら妥協点を見つけたい」と述べた。今後のレーザー事業拡大方針への影響については「今は想像できない」と述べるにとどめた。
 NKTについては「(買収に向けて)1年以上良好な関係を築いてきた」と強調した。引き続き株式取得による完全子会社化を目指す一方、仮定の話として「(買収が)頓挫したとしても企業同士としてNKTと連携すれば相乗効果は十分に出せる」と語った。
 NKTはレーザー光を増幅させる独自技術を持つ。浜ホトは3月末にベルギー子会社を通じてNKTの全株式を取得予定だった。
 都田製作所の新棟は、次世代センサー「LiDAR(ライダー)」向け半導体レーザーの生産能力増強が目的で、4棟目となる。

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