三遠南信道の青崩峠トンネル 掘削率99%到達 工事ピーク

 浜松市天竜区水窪町―長野県飯田市の間で工事が進む三遠南信自動車道の青崩峠トンネル(全長4998メートル)の掘削率が4月時点で99%に達した。掘削作業の後も複数の工事が続き、開通の見通しはまだ立っていないが、事業者の国土交通省飯田国道事務所の担当者は「工事は着実に進んでいる」と話す。

掘削率が99%に達した青崩峠トンネル=浜松市天竜区水窪町
掘削率が99%に達した青崩峠トンネル=浜松市天竜区水窪町

 青崩峠トンネルは、2018年に着工した。現在、水窪町―飯田市の区間を車で向かう場合は国道152号が通行できないため、代わりの狭い林道を通る必要がある。車で30分以上かかる険しい道のりに対し、時速60キロで同トンネルを通行した場合、6分で同区間を行き来できる。
 掘削作業は現在ピークを迎えており、ペースを下げて慎重に進められている。掘削後は、舗装作業や地下排水の整備作業などを予定する。
 4月26日に同事務所が実施したトンネル見学会では、約20人が参加し、トンネル内の設備を見て回った。長野県上田市の会社員中川義章さん(37)は「静岡が遠いと感じていたが、便利になると思うと行きたくなる。長野と静岡で交流が深まるきっかけになりそう」とトンネル完成後の地域活性化を期待した。
 同事務所計画課専門職の上村俊幸さんは「運転が難しかった林道から走りやすい道路に変わる。着実に進んでいるのでもう少し待っていただきたい」と話した。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞