空襲犠牲者に平和誓う 磐田農高、磐田北小で慰霊祭「日本、世界へ広める」

 太平洋戦争末期の1945年5月19日の空襲で犠牲になった児童生徒らを追悼する慰霊祭が19日、磐田農業高(磐田市中泉)と磐田北小(同市見付)で営まれた。在校生や空襲経験者、地元住民が冥福を祈り、平和への誓いを新たにした。

慰霊碑に手を合わせる鈴木さん=磐田市中泉
慰霊碑に手を合わせる鈴木さん=磐田市中泉
平和への決意を述べる長谷川さん=磐田市見付
平和への決意を述べる長谷川さん=磐田市見付
慰霊碑に手を合わせる鈴木さん=磐田市中泉
平和への決意を述べる長谷川さん=磐田市見付

 実習作業中の生徒5人が亡くなった磐田農業高の慰霊祭では、授業開始前に全校生徒が黙とうをささげ、代表生徒らが校内の慰霊碑前にバラの花を供えた。爆弾で亡くなった同級生を目の当たりにした鈴木巌さん(91)=同市大中瀬=は「学校のすぐ近くに爆弾が落とされ、急いで防空壕(ごう)に飛び込んだ。土煙が上がる光景や負傷して苦しんだ友人が忘れられない」と当時を振り返り「あんなにつらい思いをする戦争を繰り返してはいけない」と訴えた。
 磐田北小では、空襲警報発令を受けて集団避難していた教員1人と児童28人の計29人が犠牲になった。同校近くの子ども厄よけ地蔵と慰霊碑前で慰霊祭が執り行われ、学校関係者や地元住民ら約25人が慰霊碑に手を合わせて焼香をした。6年の長谷川暖さんは「世界中の人々が戦争を起こさない気持ちを持てば、戦争は起きないと思う。平和の大切さを日本、世界へ広めていく」と決意を述べた。

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