リニア・ボーリング調査巡り 川勝知事が謝罪 山梨知事「わだかまりなし」

 24日の関東地方知事会議では、JR東海が山梨県内で進めているリニア中央新幹線のボーリング調査を巡り、静岡県境付近での掘削中止を求めている川勝平太知事と、その対応に不快感を示していた山梨県の長崎幸太郎知事が顔を合わせた。川勝知事は会議が始まる前、長崎知事に謝罪した。長崎知事は報道陣の取材に「わだかまりはない」と説明し、両県の関係に“溝”はないと強調した。
 調査を巡っては、川勝知事は「静岡県側の水が山梨県に流出する恐れがある」と主張し、県が合意するまで県境付近で掘削を行わないようJR東海に要請した。長崎知事は「科学的根拠がない」と指摘し、行政権の在り方にも関わる問題だと反発していた。
 川勝知事は要請は撤回しないとした一方で、長崎知事に「行政権に干渉する意図はない」と釈明した。2人は携帯電話の番号を交換したほか、両県の副知事をリニア問題の「ホットライン」と位置付け、情報共有の強化を確認した。
 31日には、リニア中央新幹線建設促進期成同盟会の総会が都内で開かれ、昨年加盟した静岡県は初めて参加する。長崎知事は「各県の知事は地域の問題を抱えながらリニア問題に向き合っている。静岡県の懸念も期成同盟で共有すべきだ」と述べた。
 (東京支社・山下奈津美)

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