遠鉄バスの値上げ申請 国交省が公聴会 浜松・中区

 国土交通省は25日、遠州鉄道(浜松市中区)が申請している路線バスの運賃値上げについて、利用者の意見を聞く公聴会を同区のクリエート浜松で開いた。国交省は公聴会や運輸審議会の審議を経て上限運賃変更の認可を決める。

意見を述べる利用者(右端)=浜松市中区のクリエート浜松
意見を述べる利用者(右端)=浜松市中区のクリエート浜松

 同社の丸山晃司社長は値上げ申請の理由について、新型コロナウイルスの影響で路線バスの輸送人員数が下げ止まり、路線バス事業は赤字を計上している現状を説明した。「安全で利便性の高い公共交通を確保するには収支改善が不可欠と判断した」と述べた。
 利用者の男性会社員と男子大学生が意見を述べた。男性会社員は「近距離区間の負担が大きいのではないか」などと改定案への反対意見を公述した。男子大学生は「運転士不足への対応やバス車両の更新が必要」などと賛成理由を述べた一方、同社では他社の交通系ICカードが利用できないことなどを挙げて利便性の向上を求めた。
 同社は初乗り運賃を現行の120円から150円に、130円以上の区間はそれぞれ20~50円引き上げる計画で運賃改定を申請している。当初は4月に値上げする予定だったが審査の継続に伴い延期している。

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