静岡人インタビュー「この人」 全国篆刻展で最優秀賞を受けた 岡崎英雅さん(静岡市葵区)

 石などに文字を刻んだ印章の公募展「日本篆刻(てんこく)展」(31日~6月4日、神戸市)で、応募643点の最高賞となる梅舒適(ばいじょてき)賞を受賞。技術向上に励み20年以上続けた努力が実った。趣味は所有するオープンカーでのドライブ。63歳。

岡崎英雅さん
岡崎英雅さん

 -篆刻を始めた経緯は。
 「父親が書道をやっていた影響で、書道を学ぶため大東文化大文学部中国文学科に進学した。授業で篆刻に触れる機会があって興味を抱き、書道で使う雅号印を独学で彫ってみたりした。卒業後も書道を続けて30代後半になった頃、現在の師である黄教奇先生を紹介されたことを機に、本格的に習い始めた。最初の展覧会出品に際し、先生から『石と戯れる』意味をもつ『戯石』の雅号を拝命した」
 -受賞の感想は。
 「昨年の同展で優秀賞を受け、常任会員から評議員に昇格した。より高位の理事になるには梅舒適賞の受賞が条件となるため、先生からハッパを掛けられていたが、まさか今年取れるとは思っていなかった。まだ勉強不足の立場にある自分が受賞し、うれしい半面で畏れ多さも感じている」
 -篆刻の魅力は。
 「四角や丸など限られたスペースの中で、『いかに文字を配置し組み立てていけるか』を考えることが面白い。赤く細い文字で表現する技法『円朱文』が好きで、今回の受賞作品も円朱文で出品した」
 -今後の目標は。
 「円朱文の技法をさらに極めることと合わせ、金文や甲骨文字など違った字体にも挑戦してみたい。書道人口は減少傾向にあるが、篆刻を通して書道に興味がない人にも見飽きない魅力的な作品を作っていきたい」
 (社会部・薬袋貴信)

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