社会的養護の子 皆で支えて 富士宮の女性、支援企業募る

 養子として育ち、昨年里親として登録した富士宮市の若林久恵さん(52)が、社会的養護の子の居場所となる施設や団体の支援をするため、クラウドファンディングで企業などに費用を募り始めた。

クラウドファンディングのページを説明する若林さん
クラウドファンディングのページを説明する若林さん

 「TSUNAGUYO(つなぐよ)」プロジェクトと題した全国養子縁組団体協議会(代表理事・白井千晶静岡大教授)との連携活動。協力企業には年に1日、一つ以上の商品に専用のラベルを貼って販売してもらい、売り上げを福祉施設や団体などに寄付する。
 若林さんは「社会的養護の世界は閉ざされがちで、子どもの課題が可視化されにくい。商品を通じてなら不特定多数の人に思いをはせてもらえる」と期待する。説明用のパンフレットの制作費や賛同企業に提供する看板やのぼり旗などの費用で目標額160万円を掲げる。
 自身も乳児の時に普通養子縁組し、養父母の一人娘として大切に育てられた。13歳の時に偶然真実を知り「実親への不信感や、養父母と血縁がないことへの絶望など、心がいっぱいいっぱいになった時期があった」という。結婚や子育て、孫育ても経験し「今の自分を語ることで、悩んでいる子たちが先を見通す助けになれれば」と、講演などにも挑戦している。
 サイト「READYFOR」で29日まで募集している。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞