高校生平和大使「ビキニ事件語り継ぐ」 中野さん(静岡雙葉)抱負

 世界平和や核兵器の廃絶を国内外で訴える高校生平和大使の静岡派遣委員会は1日、県内選考結果を発表した。第26代の平和大使に静岡雙葉高1年の中野愛子さん(15)=焼津市=を、長崎派遣代表に不二聖心女子学院高2年の渡辺楓花さん(16)=富士市=と清水東高2年の東井上遥華さん(17)=静岡市駿河区=を選んだ。3人は県庁で記者会見し、平和に対する思いや抱負を語った。

平和大使に選ばれた中野さん(中央)と長崎派遣代表に選ばれた渡辺さん(左)、東井上さん=県庁
平和大使に選ばれた中野さん(中央)と長崎派遣代表に選ばれた渡辺さん(左)、東井上さん=県庁

 中野さんは地元の「第五福竜丸」が巻き込まれたビキニ事件に触れ、「焼津市民としても未来を担う世代としてもこの事件を語り継ぎ、核兵器廃絶を世界に訴える使命を感じた」と平和大使を志した理由を語った。被爆者の思いを後世に受け継ぐためにSNSの活用や平和大使を中心とした学生団体の結成を提案し、「一人一人が理解を深め、核兵器廃絶に向けた良いサイクルをつくりたい」と意気込んだ。
 渡辺さんは米国籍の友人と核兵器について意見交換した経験を踏まえ、「過去を学び、今起きている問題を解決するために行動を起こす」と述べた。長崎県生まれの東井上さんは「祖父母から戦時中のひどい話を聞いているので、核兵器廃絶には人一倍強い思いがある」と力を込めた。
 3人は長崎の平和祈念式典への出席や活動を報告するフォーラムの開催などを予定している。中野さんは平和大使として8月下旬にスイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪れる。新型コロナの影響で平和大使の訪問は4年ぶりという。

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