安倍川の旧河道知って 昭和設計(葵区)が歴史絵本 地理データから推定

 建設コンサルタント業の昭和設計(静岡市葵区若松町)は1日、市内を流れる安倍川の旧河道を紹介する歴史絵本「安倍川物語」を出版した。同社が通常の業務で使う地理データを応用し、社員が解析して過去の流路を複数推定した。3日に同社で開催するイベントでお披露目して来場者に配布するほか、近隣の小中学校や町内会にも寄贈する。

安倍川の旧河道などを紹介する歴史絵本「安倍川物語」=静岡市葵区若松町
安倍川の旧河道などを紹介する歴史絵本「安倍川物語」=静岡市葵区若松町


 同社が2021年に葵区の安東地区から安西地区に新築移転したのがきっかけ。安東、安西の「安」の字は安倍川を意味するのに、安西地区も安倍川の東に位置することに社員が疑問を持ち、調査した結果を地域住民に知ってもらおうと絵本の制作を決めた。
 解析には、県が公開している航空レーザー測量を基にした数値標高モデルやボーリング調査の結果を活用。水が流れ込みやすい場所や地盤内の大きな石の多さなどから、いずれも現在の安倍川より東側を流れる複数の旧河道を推定した。徳川家康が安倍川の洪水から駿府の町を守るために築いた薩摩土手も紹介した。
 B5判24ページ。イラストを多く使い、家康をモチーフにした少年「タケチヨくん」を登場させて子どもが親しみやすい内容にした。荒山晃社長は「静岡や安倍川の歴史を知ってもらい、建設コンサルタントの仕事にも関心を持ってもらいたい」と期待した。
 (社会部・小沢佑太郎)

 

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