記者コラム「清流」 町が誇る特産品

 この時期の森町には、日の昇らない時間から長い行列ができる場所がある。特産トウモロコシ「甘々娘」を買い求める列。来訪者は県内外を問わない。前日の夜から並ぶ猛者さえいる。初夏の風物詩としてすっかり定着しているようだ。
 今年も遠州森鈴木農園の初収穫を取材した。販売開始を今か今かと待つ列の中、10時間近くたってようやく購入できたという男性に話を聞いた。「どうやって食べるか今から楽しみ」。ほころんだ顔を見て少しうらやましく思った。
 一方で不満に思うこともある。町のアピールが控えめなことだ。シーズンの到来をもっと大々的に発信すれば良いのに、と。全国に根強いファンがいるキラーコンテンツで、観光振興にも活用できるはず。取材するたび、何とももったいない気がしている。
(袋井支局・仲瀬駿介)

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