アーティスティック水泳日本選手権 高沢、畑中(イール浜松) 静岡県勢入賞 正反対の持ち味で高め合う

 アーティスティックスイミング(AS)日本選手権(5月、東京)で静岡県勢が久々の入賞を果たした。テクニカルルーティンのソロでイール浜松の畑中愛梨(浜松日体高2年)が4位、高沢希輝(浜松商高3年)が5位に入り、デュエットも8位に食い込む大健闘。次は国体出場を目指し、7月に激戦の東海ブロック大会に臨む。

アーティスティックスイミング日本選手権で入賞したイール浜松の(手前から)高沢、畑中=浜松市総合水泳場トビオ
アーティスティックスイミング日本選手権で入賞したイール浜松の(手前から)高沢、畑中=浜松市総合水泳場トビオ

 高沢が「水泳と踊りが好き。練習を見て面白そうだった」と小1でクラブに入ると、器械体操と水泳に通っていた畑中が「個別では全国レベルになれないけど両方なら」と小4で加入。高沢は豊かな表現力、畑中は巧みな技術という正反対の持ち味を生かし、互いに高め合ってきた。
 特に今季は、技ごとに難易度を設定して採点する国際ルールの改正に合わせた新たな演技構成に挑戦。畑中の躍進に高沢は「勢いでごまかしていた技の細部まで突き詰めるようになった」と刺激された。畑中も「首の動き、上半身の高さなどで近づきたい」と先輩にアドバイスを求めるなど相乗効果で大きく成長。ソロは3位までを占めた名門の井村ASクラブ勢に次いで上位に食い込んだ。
 浜松市総合水泳場トビオの開場に合わせ2009年に設立されたイール浜松にとっては初の全日本入賞。「一から挑戦したい」と大阪から浜松に赴いた棈木敦美コーチ(56)も「県外に出る選手が多い中、高校まで浜松で育てようと取り組んできた。後輩の憧れにもなる」と目を細める。
 デュエットを組んで3年、畑中が学業に専念する意向もあり国体は集大成の舞台になる。「目標は表彰台(3位以内)」と高沢。最後に最高の演技をするつもりだ。

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