犬殺処分1頭 猫101頭も過去最少 22年度の静岡県内 関係団体の努力が成果

 昨年度静岡県内で殺処分された犬の数は1頭、猫は101頭で、いずれも過去最少となったことが7日までに県への取材で分かった。動物を飼うことへの責任感の高まりや法整備などペットを取り巻く環境の改善、ボランティア団体の努力が成果につながっているとみられる。関係者は「殺処分ゼロを目指して活動を続けたい」と話す。

ボランティア団体で保護されている犬(ラディアンテ静岡提供)
ボランティア団体で保護されている犬(ラディアンテ静岡提供)
県内での犬の殺処分数
県内での犬の殺処分数
県内での猫の殺処分数
県内での猫の殺処分数
ボランティア団体で保護されている犬(ラディアンテ静岡提供)
県内での犬の殺処分数
県内での猫の殺処分数


 犬猫の殺処分数は年々減少しており、犬は殺処分ゼロまであと一歩に迫った。唯一殺処分となった1頭は浜松市で放浪していて保護された小型犬。飼い主が見つからず、重度の疾病のために安楽死が妥当という判断に至ったという。県の担当者によると、放浪している期間や、保護されてから飼い主を探している期間が長いほど、犬の体調が悪化しやすいといい、逃げないための対策と、万が一逃げてしまったときに備えて名札などを活用することの重要性を強調する。
 猫については、野良猫に不妊去勢手術をして地域に返す「TNR活動」などが奏功し、殺処分の多くを占めてきた親のいない子猫の持ち込みが減ったことで、殺処分数も減少した。今後は、地域によって状況が違う中でどう共存していくかが課題という。
 やむをえず保健所に保護されたものの、一般向けの譲渡が困難と判定された犬や猫はボランティア団体が引き取るケースも多い。静岡市を拠点に活動するラディアンテ静岡の三津山有加代表理事は、ペットを飼う責任意識の高まりや、保護犬・猫を引き取ることへの理解が以前より進んでいると感じるという。
 一方で、高齢で飼えなくなり親族などにも引き取り手がいなかったり、飼い始めた後で子どもの動物アレルギーが判明したりして保護に至る事例もあり、ペットを飼う前に自分や家族の状況をよく確認することが必要だとする。三津山代表理事は「安易に飼い始めないことと、最後まで飼うこと。この2点を守ってほしい」と強く呼びかける。
 (社会部・大村花)

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