「敷地川3度目決壊」懸念 磐田・敷地川、住民早めの避難で備え

 9日にかけて大雨が予想される中、梅雨前線と台風2号による記録的豪雨で堤防が再び決壊した磐田市の敷地川では8日も、静岡県による応急復旧工事が急ピッチで進んだ。ただ、予定する工事が全て終わっていないため、地元住民は早めに避難するなど水害への警戒を強めた。来週には台風3号の接近も予想され、3度目の決壊を心配する声が漏れた。

応急復旧工事が急ピッチで進められている敷地川の堤防=8日午後、磐田市
応急復旧工事が急ピッチで進められている敷地川の堤防=8日午後、磐田市
応急復旧工事が急ピッチで進められている敷地川の堤防=8日午後、磐田市
応急復旧工事が急ピッチで進められている敷地川の堤防=8日午後、磐田市
応急復旧工事が急ピッチで進められている敷地川の堤防=8日午後、磐田市
応急復旧工事が急ピッチで進められている敷地川の堤防=8日午後、磐田市
応急復旧工事が急ピッチで進められている敷地川の堤防=8日午後、磐田市
応急復旧工事が急ピッチで進められている敷地川の堤防=8日午後、磐田市
応急復旧工事が急ピッチで進められている敷地川の堤防=8日午後、磐田市

 住民たちは台風2号で浸水被害に遭った自宅の復旧作業の手を止め、大雨への備えを優先した。40代の会社員女性は日中、庭に置いていた農作業用の機械を作業小屋に移動するなどして浸水に備えた。「3度目の決壊があると考えて行動し、夕方には親戚の家に家族で避難する。台風3号の接近で来週まで気が抜けず、精神的に疲れた」と険しい表情を見せた。
 昨年に続き自宅が床上浸水した桜田力さん(76)は「災害ボランティアのおかげで家に流れ込んだ土砂や流木は片付いたが、まだまだやることが残っている。薬や貴重品は部屋の高いところに避難させたが、(敷地川が)切れないことを祈るしかない」と話した。
 県袋井土木事務所によると、8日までに決壊箇所を大型土のうでふさぎ、盛り土による仮の堤防は幅を前回の応急復旧時の2倍に当たる6メートルに広げた。9日にかけては、24時間態勢で敷地川の水位をカメラで監視するという。
応急復旧工事は、堤防を補強する鋼板の埋設やコンクリートブロックの敷設などの工程が残る。台風3号が迫るなど出水期を迎えているため、担当者は「前倒しで完了するよう工事を急ぎたい」としている。
 市は雨が降り始める前の8日午後4時に、敷地川周辺を含む市内の土砂災害警戒区域に「高齢者等避難」を発令。豊岡地区の小学校や公共施設など7カ所に緊急避難場所を開設した。地元自治会も地域住民に早めの避難を呼びかけ、公会堂を避難用に開放した。

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