静岡人インタビュー「この人」 防災拠点化が進む「道の駅朝霧高原」支配人 吉里正臣さん(富士宮市)

 災害時に救助や復旧の広域拠点となる「防災道の駅」に県内で唯一選定された「道の駅朝霧高原」(富士宮市)の支配人。2021年6月に就任し、幅広い関係機関と連携した訓練のほか、防災機能強化に向けた取り組みを進めている。富士市出身。50歳。

吉里正臣さん
吉里正臣さん

 -防災道の駅の第一歩は。
 「昨年、東日本大震災の被災写真や遺物を展示する企画展を1カ月にわたって開いた。災害の恐ろしさを伝えていくことも防災道の駅に課せられた使命。まずはここが防災道の駅だと地域住民や利用客らに知ってもらうことも大切だと考えている」
 -道の駅の足元の課題は。
 「駐車場の車中泊利用が増加の一途にある。以前から防犯上の懸念もあったが防災の観点からも平時から駐車場の空きをつくっておかなければならない。どこの道の駅でも課題だと聞く。車中泊を前提とした場所ではないため対応を検討している」
 -訓練で確認できたことは。
 「BCPでは安否確認後、避難場所を確保した上で避難誘導する流れを想定している。避難誘導は早ければ良いというものではなく大規模災害でも慌てず慎重に行動することが大切だと確認できた。今年の夏ごろには富士山噴火を想定し、防災道の駅として他拠点と連携した規模の大きな訓練を計画している」
 -ハード面の取り組みは。
 「防災倉庫として新しい施設の建設が計画されている。備蓄機能のほか職員らの詰め所、災害対策本部となる会議室が置かれる予定。平時にはカフェやフードコートなどとして管理・運営していくことにより、災害時により迅速な対応が実現できるのでないかと考えている」
 (社会部・吉田史弥)

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