障害者雇用 学習塾が支援 クラ・ゼミ、浜松にオフィス開設

 学習塾を経営するクラ・ゼミ(浜松市中区)は障害者雇用の支援事業を強化している。障害者の離職を減らそうと、1日に本社6階に障害者向けサテライトオフィスを開設した。専門スタッフが常駐し、障害者が安心して働ける場所を提供する。障害者の学習や就職支援を手がけてきた経験を生かし、法人向けサービスに参入した。

クラ・ゼミが開設した障害者向けサテライトオフィス=浜松市中区
クラ・ゼミが開設した障害者向けサテライトオフィス=浜松市中区


 オフィススペースの貸し出しのほか、障害者が活躍できる仕事の抽出やマニュアル作成、採用、事前実習などを支援する。障害者への業務指示は雇用企業が行い、オフィスに常駐する精神保健福祉士などの資格を持つスタッフは障害者の体調相談などに応じて企業にリポートを報告する。
 契約は1年単位。長くとも3年で企業勤務や在宅勤務ができるよう目指す。1人当たりの月額料金は最低5万円から。
 2018年に障害者の就職を支援する「アクセスジョブ」を静岡、浜松市などに設置して以降、障害者が安心して実践を重ねられる場所が必要と判断した。障害者雇用促進法の改正で雇用が進む一方、離職者も多く、精神障害者の職場への1年定着率は5割程度にとどまっているという。
 同社は市内に大企業が多く、長期に安定して雇用したいとのニーズは強いとみる。就労支援障がい者雇用サポート部門の河合俊通部長は「企業と障害者の相互理解を進めながら、障害者が戦力になれるよう支援したい」と話した。
 学習塾スペースを改装したサテライトオフィスは4社分の個室や、コワーキングスペースなどを用意し、現在はグループ会社が雇用した3人が利用中。JR静岡駅周辺への開設も検討している。
 (浜松総局・白本俊樹)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞