災害情報収集でアプリ活用 市民投稿で迅速に 磐田市、JX通信社と協定

 磐田市は本年度、デジタル技術を活用して災害情報を収集する取り組みを強化している。12日には、ニュースアプリなどを手がけるJX通信社(東京都、米重克洋社長)と連携協定を締結。市民が身の回りのリスクを投稿し、リアルタイムに閲覧できる同社のアプリの利用を促すことで、被害状況把握の迅速化を図る。

協定書を交わす草地市長(左)と米重社長=磐田市役所
協定書を交わす草地市長(左)と米重社長=磐田市役所

 昨年9月の台風15号による市内の甚大な浸水害や土砂災害は夜間の発生だったため、市は被害情報の収集に悪戦苦闘した。この教訓を踏まえ、4月から人工知能(AI)がSNS上に投稿された災害情報を自動集約する同社のシステム「ファストアラート」を試験導入。今月の台風2号に伴う豪雨の際に被害状況の把握に活用した。
 連携協定に基づき市民に利用を促すアプリ「ニュースダイジェスト」は、市民が身近で発生した災害や火災、交通事故などの情報を投稿できる機能がある。SNS上の投稿も含めたリスク情報からデマをAIが自動排除し、リアルタイムでマップ上に掲載する。
 同アプリは利用無料。災害情報を発信した人には、買い物に使えるポイントが提供される。市は情報収集の手段を増やすことで、速やかな災害対応や、現地調査を担う職員の安全確保などにつなげる。
 協定締結式で、米重社長は「状況把握の時間を短縮し、市の意思決定の迅速化に貢献できる。市民にも避難などの対応を活用してもらい、自助・共助の強化につなげたい」と説明。草地博昭市長は「市民の発信をいかに早く正確に察知するかが重要。市民に積極的な投稿を促していきたい」と述べた。

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