静岡人インタビュー「この人」 焼津の「キャンプ飯」プロジェクトの事務局を務める 岩崎真紗美さん(焼津市)

 老舗こんにゃく専門店の4代目店主として奮闘する傍らで、焼津市内の事業者が自らの食品加工技術を活用した「キャンプ飯」の開発プロジェクトを取りまとめる。参加する14社の製品は、7月開業予定の焼津市内のアンテナショップで本格展開していく。40歳。

岩崎真紗美さん
岩崎真紗美さん

 ―プロジェクトを始めたきっかけは。
 「焼津港がなぜ日本有数の漁港なのかを探った時に、市内事業者が持つ高い水産加工技術だということに気がついた。コロナ禍でキャンプ需要が高まり、外出先で手軽に食べられる保存食が着目されるなかで、ツナ缶やかつお節、練り製品といった保存食の製造に秀でている市内事業者が協力し合えば、新しい何かが生まれるのではないかと思った」
 ―プロジェクトを通じて感じたことは。
 「水産加工会社の若手社員の間では、一連のカツオ窃盗事件を受けて水産業に危機感を感じていることを知った。同時に街を変えるチャンスは今だとも考えている。そうした意識を持った市内事業者が集まった。メンバーたちはSNSで日々情報交換している。自社のことよりも、焼津のためにという思いでつながっている」
 ―今後の展望は。
 「14社が開発した20品は『やいづキャンプ飯』という統一ブランドで展開していく。今夏にはふるさと納税の返礼品にもなる。キャンプ飯をきっかけに焼津の町を知ってほしい。事業者の開発した製品はそれぞれストーリーがあり、オリジナルの技術が詰まっている。そうした背景を知ると技術力の高さがよく分かる。水産関係従事者の誇りになるだろう。焼津で働いてみようと思ってくれるとうれしい」

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